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韓日共同ワークショップ+α反住基ネット連絡会 11月8日〜11日まで韓日共同ワークショップを中心とする韓国市民グループとの行動を行った。その報告を以下に行う。日本側参加者は白石さん、板垣さん、そして宮崎の3人。韓国グループとの通訳はすべて板垣さんに頼ることとなった。謝意を表しておきたい。 1. 市民サービスコーナー・地域出張所 視察11月9日(土)の午前中は、実際に住民票謄本・抄本等を発給している市民サービスコーナーと地域出張所の2ヶ所を視察した。 市民サービスコーナーは地下鉄の駅にあり、ちょうど日本のものとほぼ同じ役割を果たしている。住民票謄抄本、戸籍謄抄本、土地台帳、印鑑証明などの証明書をコンピュータの端末から発行し、手渡す。住民票は、その地区のものだと1通150ウォン(約15円)他地区だと450ウォン(約45円)。1日200人がそこのコーナーを利用するという。日本と住民票の大きな違いは、下欄に兵役事項が記載されていることだ。 また、住民登録証がないと住民票を発行してくれない。13桁の番号がないとどうか、担当者に聞いたが、「考えられない」との回答。プライバシーの漏洩の危険性についても考えられないという。また、民間利用はないという。
韓国は今年の11月1日から電子政府が稼動している。電子政府の内容は、ほぼ日本と同型だ。家庭のパソコンから申請が可能になる。申請・届出の際の住民票の添付が省略できる。等々。しかし、実際にはまだ官庁への申請・届出の際の住民票添付はほとんど従来通りだという。今後はその方向に向かうのではないか。 地域出張所では、ちょうど指紋捺印が行われているところに遭遇した。何のためらいもなく職員が親指をつかみ、回転指紋をとっていたが、目の当たりにすると衝撃的だった。これまでは、兵役事項も出張所入力だったが、兵役事項は兵務庁入力に変わったと聞いた。
2. 共同ワークショップ主催は、民主化のための全国教授協議会、指紋捺印反対連帯、反住連の3団体。成均館大学の構内の会議室で11月9日(土)13:00〜17:00に行われた。 ここでは、民主社会のための弁護士会(民弁)のイ・ウヌさんの発題を中心に紹介したい。
彼は、冒頭、「反監視権」(監視されない権利)という新しい概念を提唱した。これは、これまでのプライバシー権とは違う概念であり、新しい技術による国民監視に対応する民主主義の原理として定立しようとしているところに特徴がある。OECD8原則を越えた原理の設定として提示されている。 反監視権を具現化するために、まず、国家とは独立した「反監視委員会」を創設する。この委員会は救済申請があった時、準司法的な是正命令が出せるような強い権限を有するものである。 また、個人だけでなく、集団・団体を単位として扱おうとしているところもユニークな点である。 さらに反監視のための基本法の創設が提唱され、その対象は、民主主義を阻害し、監視するものすべてとなる。市民が監視活動の計画段階から参与できるシステムの存在も重要な指摘だ。 この反監視権という概念は、国家を統制できる理論として位置づいており、今後その内実について大いに議論すべきものだと思った。 個人情報保護法については、日本の状況に酷似しているようだ。国による個人情報の収集制限がない、個人情報ファイルの公開が一部に止まり、国がどういう情報を保有しているのかわからない、等の的確な問題点の指摘がなされた。 住民登録制度については、根本的な変革の必要性を指摘し、まず、ナショナルIDをやめさせ、目的別IDを設定することが提唱された。電子政府についても、その危険性が指摘され、情報の分離を行うことが提起された。 日本側からは白石さんが住基ネットの基本的な構造の紹介を行った。 第2部はユンヒ・ションシクさんの司会で韓国側から2人、日本から宮崎がコメントを行った。建国大学法学科学長のハン・サンヒさんは、個人情報の問題は、民主主義の問題として捉える必要性を提言。宮崎が行った報告における日本の運動の盛り上がりについては、韓国と日本の状況の違いについて討論が行われた。特に地方分権の在り方について韓国の一極集中の是正の方途が論じられた。 総じて韓国サイドは、監視社会に抗する理論構築を展開しようと試みており、そういう点では、今後の日本における闘いにかなり参考になるものだったと評価できよう。今後も連携を強めていきたい。
3. 労働者大会における宣伝活動たまたま、11月9日が民主労総による労働者大会の前夜祭、10日は本大会がソウル郊外の大学付近の路上を占拠して開催されていた。ソウルの道は大変広い。そこを全面的に占拠し、ステージを敷設、大音響スピーカーを何台も配置して本大会は行われていた。日本からも全労協議長が挨拶を行っていた。
指紋捺印反対連帯のメンバーと白石さん、宮崎はその参加者に「指紋捺印反対」のビラまきを行った。圧巻は、40年前に指紋を導入した朴正熙の「かぶりもの」をかぶって情宣を行ったことである。通行する労働者や子供からは大いにうけた。労働者大会だったこともあってかビラの受け取りは至極よかった。ただ、5万人もの労働者が集まったが、ビラをまく我々は約15人程度で、この課題に敏感に反応する人はまだ少数であることは、日本と大差ないと思った。しかし、労働者の熱気は日本と全く違い、元気を分けてもらって帰国することができた。
韓日共同ワークショップ住民登録法と住民基本台帳法1. 趣旨韓国の身分登録制度、特に住民登録制度は、住民の便宜を図るという名分とは異なり、住民を統制し監視する役割をしているという批判が提起されてきた。行政サービスを提供するために必要な身分登録の範囲を越えて、人格権やプライバシー権等の基本的人権を侵害する国家身分証制度は、大きな社会的葛藤を生んできた。特に朴正熙(パク・チョンヒ)軍事独裁政権が40年前に導入した韓国の住民登録制度は、全世界に例を見ない全ての国民および外国人を対象とした10指の指紋採取と、個人情報が露出する住民登録番号等、大きな問題を抱えている。 一方、日本の場合、住民基本台帳法が最近大幅に改定され、去る8月5日から施行された。一極的に電子化された住民登録制度が、監視と統制の道具として利用されるという憂慮が増幅し、これに対する反対運動が巻き起こっている。住基ネットの導入を住民の選択に委ねた横浜の場合、350万住民のうち拒否の意思を表明した者だけで84万に達しており、潜在的な拒否者も相当の数字にのぼると考えられる。しかし、日本政府は来年からICチップを内蔵したスマートカード型身分証の導入を予定している。これまでにも問題視されてきた外国人登録制度と合わせて、監視と統制の可能性はより高まるものと思われる。 世界を震撼させた9.11テロ事件以降、全世界的に猛威をふるっている保守右傾化政策と、これに便乗した国家の住民統制システムの強化は、個別国家の問題としておくわけにはいかない状況になっている。アメリカやイタリアをはじめとして、各国で生体認識を導入した身分確認システムの構築を公言しており、その他さまざまな国が国家身分証明制度を強化する政策を打ち出している。「国民」と「非国民」、「善良」で「優秀」な外国人と「不法」滞在者や「テロリスト」、こうした恣意的な分割を目論む国家監視がなし崩し的に拡大している。詰まるところ、このような現象は個人を抹殺し、連帯を断ち切り、国家システムに個人を編入させる結果を生むことになると憂慮せざるを得ない。 このような問題意識のもとに、韓国の「民主化のための全国教授協議会」と「指紋捺印反対連帯」、そして日本の「反住基ネット連絡会」は自国内の住民統制システムに対する問題意識を共有し、国際的な対応の方策を共に模索するために共同のワークショップを開催する。韓国の住民登録制度および日本の住民基本台帳ネットワークシステムがどのような問題点をもっており、どのように改善されなければならないのかについて、関心のある多くの活動家や研究者の参与を期待する。 2. 主題- 住民登録法と住民基本台帳法:韓日共同ワークショップ 3. 主催民主社会のための全国教授協議会、反住基ネット連絡会、指紋捺印反対連帯 4. 日程2002年11月9日(土) 13:00〜17:00 5. 場所成均館大学校 水仙館 別館 62805号 6. プログラム第1部 司会 チン・ヨンジュン(聖公会大学校英文科/民教協事務局長) (1) 挨拶(各10分、通訳込み - 13:00〜13:20) - 韓国:パク・サンフヮン(成均館大学校東洋哲学科/民教協共同議長) - 日本:白石孝(プライバシー・アクション代表) (2) 発題(各30分、通訳込み - 13:20〜14:20) -
電子政府の施行による個人情報流通の問題点、住民統制による基本権侵害および制限の問題 -
日本での住民統制強化の現状:電子政府と住基ネット ============ 休憩(14:20〜14:30) ============ 第2部 (3) コメント(各20分、通訳込み - 14:30〜15:30) - ハン・サンヒ(建国大学校法学科学長) (4) 全体討論(15:30〜17:00) ※ 11月9日晩には、労働者大会の前夜祭がある。関心のある方は参加する方向で。 |